久須栗小5年2組のくすぐり物語
今日の昼休み、体育館横の倉庫にきてください。
2人きりでお話したいことがあります
泰典
今朝登校したら下駄箱の中に手紙が入っていた。ちなみに泰典くんは陸上部のエースで、一言でいうとイケメン。泰典君には熱狂的なファンクラブが存在し、20人以上が加盟しているとの噂が流れている。
実際一葉が泰典くんにぞっこんで、クラス替え2日目に告白してフラれたのは有名な話。
「簡単に言います。美穂ちゃんのことが好きです。僕と付き合ってください」
予想通りだ。人気のないところで二人きりになって話すことといえば、告白ぐらいしかない。
「ごめんなさい。他に好きな人がいるので、付き合えない」
何となく考えていたセリフだ。もちろん泰典君はかっこいいし、スポーツもできるけど、私が付き合いたい人はほかにいる。
「そっか、だめだったか。なら仕方ない。こうなったら奥の手を使おう」
えっ。奥の手って何?
「きゃはははっ!」
考える間もなく、電流のような刺激が全身に流れる。
泰典くんの手が脇腹を揉むように動いている。
「だめぇっ!やめてっ」
「もう失うものはないんだ。こうなったら思う存分くすぐってやる」
やけになった泰典くんが襲い掛かってくる。
抵抗しようにも、体から力が抜けてしまい、泰典くんの手を振り払うことができない。
泰典は強引に美穂のことを押し倒すと、あおむけになった美穂の膝の上に乗りかかり、わきの下や脇腹、おへそ周りを絶え間なくくすぐり続けた。
「きゃははっはっははああああ!!ははっはああああははっはっはは!だめだめっええええええええええええ!ははっははははっはははきゃはひゃあああああ」
泰典の乱暴なくすぐりは昼休み終了のチャイムが鳴るまで続いた。
二花が遠くから体育倉庫の光景を眺めていることに二人は気づいていなかった。