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気付けば空はくらくなっていて、カラスの声もしない。
本格的に夜になる前に帰ろ、って、わたしたちは家までの道をゆっくり歩いた。
「 てゆーか道覚えてる? 」
「 …わたし自信ない… 」
「 …覚えてる気がしない。けどまぁ、行ったら思い出す。はず 」
「 …そこはノリと気合いってことね! 」
流石に十年、しかもあのころのわたしたちは子どもで、道なんかおぼえている方がすごい。
それでもこの二人がいれば……この三人なら、なんでも出来る気がするから。
大丈夫って思える。