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「 三人で……、ここに来たかったのに……っ 」
「 ……事故の予想とか、誰も出来ないだろ 」
「 でも、みなみは……来たかった、はずだよねぇ……っ? 」
『 いっしょに来たよ、かおるちゃん 』
「 ごめんね……っ 」
………わたしだけ。
わたしだけが、子どものままなんだ。
あたりまえに、みんなといっしょに大きくなったつもりでいたのは
全部、自分をごまかすためだった。
泣かせたかったわけじゃないんだよ。
後悔させたかったわけじゃないんだよ。
わたしのこと、わすれないでいてくれたのが、すごくうれしくて
しあわせなんだよ。
『 わたしのことは、ここにおいていってね 』
わたしは大人にはなれないから、二人が大きくなって海にくるの、ずっとずっと待ってようかな。
いっしょにかえれなくて、ごめんね。