near
「 寄ってこっか 」
家の近くの、小さな公園。
近くに他になにもないわたしたちは、むかしは毎日ここであそんでいた。
だんだん公園なんかであそぶことはなくなったけど、その思い出をわすれることはない。
「 なーんか古びたねぇ 」
「 どんだけ経ったと思ってんだよ、古くもなるわ 」
「 あ、わたしブランコしたい 」
むかしはあった登り棒がなくなっている。
まわりには雑草がたくさん生えていて、きれいとは言えなくなった公園に、わたしたちは足をふみいれた。
大好きだったブランコにのれば、柵のところに二人が座った。
風のせいでとなりのブランコがゆれている。
キィ…って 一定の音をたてながら、夕方の心地いい風を感じる。