君となら、死ねるかも。
「聞こえよがしに呟いてたから、訊いてほしいのかなって思ったんだよ」
自分の口から出てきた言葉に、思ったよりも温度がなかったことに驚いた。偽物の免罪符を掲げて堂々としている自分はひどく滑稽だ。
たぶん、もう、心のどこかで、どうなってもいいと思っている。相手が誰でもそうだった?……わからない。
「それは優しさ?」
「……優しさだよ」
「本日の営業はもう終了したのに?」
「……」
私が何も言えずにいると、古瀬くんはしたり顔でこちらを覗き込んできた。
失念していた。みんなに囲まれる人気者は、口がうまい。