君となら、死ねるかも。
どうして彼は、わざわざ私のいるときにあんな独り言を呟いたんだろう。いや、そもそもどうして彼は、この教室に残っていたの。
茜色に染まる教室、吹き込むそよ風、揺れる掲示物、古瀬くんと私。生きている彼と、忙しなく動く私の心臓。
どうして、今日に限って、よりにもよって、彼が。
「あ、諏訪、ちょっと来て来て」
再び窓の外に視線を戻した古瀬くんが、ちょいちょいと手招きした。
「なに?」
「早く早く」
「……」
自分の目で確認しろ、ということだろうか。無視したかったけれど、まるで幼い子どものようにはしゃぐ彼の声を聞こえなかったことにするのは、なんとなくできなかった。