君となら、死ねるかも。
「……離して」
「さっきの二人、手ぇ繋いでたよな。こんなふうに」
彼は、ゆっくりと指を絡めて。くすぐったさに、膝から崩れてしまいそうになるのを、下唇を噛んで耐えた。
「離してってば」
「そう言うわりに全然抵抗しないのな。本気になればこれくらい、振り払えないはずがないのに」
「っ……」
言い返せなかった。妙に暑くなって、喉がカラカラに渇いた。古瀬くんには、見透かされていた。
「ということは、諏訪、別に本気で思ってないんでしょ?」
「……!」
頭がカッとした。強い光が目に刺さって、視界が真っ白になって、眩んだ。
「都合よく解釈しないで」
「無理。どうしてもそう見える」
「違う、……本当に、違うから」
「過度な否定は肯定に聞こえるんだけど、知らない?」
彼は、悠然と微笑んで。それとは対照的に、比例するように、私の焦りは加速し、ぐるぐると目が回る。
捕まえられた手を、グイッと強い力で引かれ、袖口にわずかな隙間が生まれた。──疑いが、確信に変わるのを、目の当たりにした。