君色を探して
今日も太陽がジリジリと照りつけている。
昨日もそうだったし、明日も変わることなくそうだろう。
『ジェマは選ばれた子なのよ』
その意味が、けして喜ぶことではないと知ってしばらく経つ。
――今年こそ、選ばれてしまうかも――
そんな不安が、この日差しを感じる度に大きくなる。
『あ、ほら!! 』
彼女の声に目を向ければ、男がにっこり笑って手を振っていた。
今この場で特別な好意を抱くことはないけれど、悪い印象は全くない。
優しそうなひとだ。
それなのに、否、だからこそジェマは目を伏せた。
若く、美しく、聡明であり――未婚であること。
当然の如く並べられる祈り子の条件は、ジェマに言わせれば理解不能だ。
美人だと言われれば嬉しいが、何故この先未婚であることを決められないといけないのか。
(……雨が降るまでって言うくせに)
長期的に独身でいることを強いられるのは、矛盾している。
つまり、それほど長いこと祈らなければ効果はないのか。
それとも、いつ降るか分からないから任期を長くとっているのか。
それはもしや――実は皆、祈り子の力を信じていないということにならないか。