君色を探して
巻き込んではいけない。
ロドニーは確かに変わり者扱いされてはいるが、自分と――祈り子と結ばれればそれでは済まないだろう。
誰か可愛い子と、そう、もっと普通の――否、たとえば有力者の娘なんかがいいのかも。
そうすればきっと、この先も祈り子なんてものには選ばれることがないだろうから。
『……っ、そんなのおかしいだろ……!! 』
ぎゅっと抱きしめられ、ポロッと涙が溢れ落ちた。
頬を伝うなんていう、綺麗なものじゃなくて。
次々と大粒の涙が堰を切るように。
大人になりかけた今、ようやく恋を知ったこの頃になって、ジェマは子供のように泣きじゃくった。
・・・
優しくて、どちらかと言えば不器用な男性だと思っていた。
けれども、ロドニーは思った以上に頼もしく、巧みだった。
(そりゃあ、私の方が珍しいのかもしれないけれど。もう大人なんだし)
分かってはいるが、何となくムカムカする。
『……何か怒ってる……? 』
『……別に怒ってないわ』
寝台の上で、そろそろと腰に回してくる腕をピシャリと叩く。
『そう言う人って、大抵怒ってると思うんだけど』
少し痛かったのか、呻きながらそんなことを言った。