君色を探して
自分から弾いておきながら、そっと距離をとられると寂しくなる。
『ごめんなさい。……ただの嫉妬』
もっと早く出逢っていたら、祈り子なんかに選ばれていなければ。
そうしたら、こうして触れ合える時間ももっと増えていたのに。
『……これからは、ずっと二人でいられるよ。君に飽きられないようにしないとね』
事実を告げながらも茶化したように言い、ロドニーがふんわりと髪を撫でてくれた。
そう、これからはずっと二人きり。
町を追い出されるなんて、ロドニーには本当に申し訳なかったが、彼は謝らせてくれなかった。
「ごめんなさい」を言おうとした唇を塞ぐのは優しく。
敷布を握りしめる手に重ねてくるのは、僅かに痛みを覚えるほど強かった。
『謝る必要はないんだ。だって』
――僕の幸せがここにあるだけ。