君色を探して
Roy
Roy
「ロイ」
この声で呼ばれるのを、どれだけ熱望していたか。
この温かさを腕に抱くのを、何度夢に見ただろう。
(……体温、こんなに高かったっけ)
もし、彼女も同じように焦がれてくれていたのなら、本当に嬉しい。
「ロ、ロイ……」
きめ細かい肌も、上気した頬も。
呼吸をする度、彼女が弾むのも。
どれをとってもロイを喜ばせ、更に理性を失わせた。
(ごめん。もうちょっとだけ、気づかないふりさせて)
優しく触れることは命じられても、彼女を解放することはとても無理だ。
・・・
「ロイの馬鹿……」
力の入らない体を抱きすくめると、随分と弱々しく抗議された。
「そう言われても、こればっかりはね」
許してほしい。
はっきり言って、堪えに堪えたのだ。
一度たがが外れてしまえば、しばらく落ち着くまでこうだろう。ジェイダには内緒だが。
「もう……! ロイのえっち! 変態……! 」
心の声が漏れたのか、彼女は真っ赤になって枕を投げてきた。
「変態って……まだ、それほどのことした覚えは」
「う、うるさい……! わ、私にはそれほどのことだもの……」
これまた、うぶなことを言われ。
にんまりした顔に、もうひとつの枕が見事に命中した。