君色を探して
「……それで、君はどうしてたの?」
ロイの口からトスティータの皆の話を聞き、代わりにクルルの話をして。
寝台の上、途中でいちゃいちゃごろごろするのを挟みながら、最後にロイが尋ねてきた。
「私は……特に変わったことはなかったけど」
ロイに逢うまでとさして変わらず。
大きな変化といえば、兄がいてくれることだ。
それほど前のことでもないのに、ロイに出逢ったのがずっと昔のように感じられ――記憶の中の彼が恋しかった。
「僕に昔のことまで話させておいて、それはないんじゃない。僕だって、会ってなかった期間を埋めたいんだけど? 」
ぎゅっと抱きしめられ、息を飲む。
たったこれだけのことでも、ドキドキして苦しくて――なのに、もっと求めたくなる自分がいた。
「そう言われても、当たり前のことしかしてなくて」
帰ってきてからは質問攻めにあった。
多少疲れはするものの、全てに丁寧に答えたつもりだ。
中には不信の念を抱くひともいた――残念ながら、少ないとは言えないけれど――それでも、理解を得る為に必死で。
『優しかったよ、みんな』
お人好し、楽天家。
その事実を受け入れてもらえず、そう称されたことも多々あった。
『あの王子様に騙されたんじゃないの? 祈り子であるあなたは、利用価値があったんだわ』
そんな言葉を投げつけられ、傷ついたことも。