君色を探して


「一緒なら、絶対に」


これから、大変なこともあるだろう。
辛いことも、悲しいことも。
もしかしたら、二人ゆえの苦難もあるのかもしれない。


「うん。……大丈夫」


それは無責任だろうか。
楽観的すぎる言い方だろうか。
それでも、夢を見たからこそ今、彼と結ばれている。


「そういえばさ、最近不思議な気配を感じるんだけど……何か、ロドニーに見張られてるみたいな。あとマロ」

「……見守ってる、じゃないかな? それに」


――お父さん、また増えたね。


「……だね。でも、君に悪さしにくいったら」

「……もう」


悪さじゃないよ。
時々意地悪で、優しくて……夢を叶える強さをもった王子様――。


(ううん)


大好きな大好きな、だんなさま。


「……っ、ジェイ……」


甘い気持ちのまま素早く唇をぶつけると、ベッドに体を投げて目を閉じた。


「あっ、明日も早いから!! お仕事頑張ってね。では、おやすみなさい!! 」


(……こういう面でも進歩がないわ、私って)


果たして、今のは口づけに数えられるのか。
何だか前にもあった気がして、このまま爆睡してしまいたい。


「まあ、今のはロドニー父さんも許してくれるかな。君からだし、あんまり色気はないし」

「うるさいな……! 」


溜息混じりに言われ、思わず目を開けてしまう。
案の定、そこにはニヤリと笑うロイの顔と。


「この先、長いからね。今夜はもうおやすみ」


とても童話に登場させられない、王子様のキス。


「……僕が優しい夢を見てね」


(~~本当に前にもあった気がするけど、今度は! )


「……無理です!! 」






【Jada・終】


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