君色を探して



・・・


「は……今、何と仰せに……? 」


王の間に呼ばれ、告げられた言葉が理解できない。


「あいつの具合が良くない。どこか療養に行かせるから、お前も付き添ってくれ」


(あの方の具合ならば、一番知っている私に何を仰るのか)


それどころか、父である貴方は何も知らないではないか――。
そう言いたくなるのを、辛うじて堪える。


「……あれを操り人形にしようという動きがある。アルフレッドがどうにか使い物になろうかという頃だ。無駄な諍いを生む必要はない」


第一王子派、第二王子派。
もう、そんな時期になるのか。
二人はまだ、子供だというのに。


「しかし……! 」


思うことは沢山あったが、何より怒りを誘うのは。


「何度も言わせるな。あれに静養を」


(なぜ、名前を呼ばずにいられる)






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