君色を探して
・・・
「ああ、そう。私に病気になってしまえと」
アルバートの部屋へ行き、正直に話す他なかった。彼は賢くて、
『デレクと遊びに行きましょう、若君』
などという戯れ言を、信じてくれる子供ではなかったからだ。
「なら、いっそ毒でも盛ればいいのに。意気地無しめ」
「若君」
強めに呼ぼうとしたが、上手くいかない。
このような表情をさせているのは、間違いなく大人のせいなのだ。
「大丈夫だよ」
そして、この状況で笑うことができるのも。
「嫌だなんて言ってない。……デレクが責められることはないから」
優しい子に育ってしまったのが、不憫なほどに。