君色を探して
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ロドニーやレジーとの出会いはアルバートの心を満たし、大きく成長させた。
それが自分でなかったことは悔しく、正直にいえば妬ましくもあったが。
「あの方が幸せになれて、本当によかった」
今、心からそう言うことができる。
「式が楽しみですな。遠巻きですが、見守ることができれば」
「駄目ですよ、遠くからなんて! 新郎のお父さんなのに」
昔話を聞いていたジェイダが、椅子から飛び上がる。
「ですから、そのような立場では……。ロイ様も何も仰らないでしょう? ……そういうことです」
ロイが自分を大事に思ってくれていることは理解している。
父代わりと思ってくれることも、彼が遠慮して口にできないことも。
それでいいのだ。
「もう、頑固なんだから……あ、分かりました!! 」
溜息を吐いて椅子に座りかけたところで、ジェイダが大声をだした。
(……嫌な予感が……)
目を逸らしたが、彼女は構うことなく続ける。
「今日から私、デレクさんをお父さんって呼びます! 」
「……………は? 」
点になった目でどうにかジェイダを捉えると、彼女は名案を思いついたとばかりに、頬を紅潮させて。
「私とロイが結婚したら、ロイにとってもデレクさんはお父さんです。堂々と呼べますね」