君色を探して
年上らしい、その男が少し妬ましいけれど。
「オーリー様が可愛いらしいので、お父上も心配なのですよ」
「……過保護なの」
幸せになってほしいな、と思う。
たった今知り合ったばかりなのに、何故だかそう願ってしまうのだ。
「ばあやも煩いのよ。最近はここでも日が強くなったから、日焼けがどうのって……。だから、いっそのこと抜け出してやろうかなって。私、あの翡翠の森すら見たことないのよ? 」
砕けてきた口調のせいか、ますます幼く見える。
クスリと笑うと、オーリーは僅かに頬を染めた。
《気分転換はできた? 》
オーリーとの会話を楽しんでいると、子リスが呼びかけてきた。
《楽しそうなところ、ごめんね。でも、そろそろ時間切れなんだ》
行かなくちゃ。
すっかり忘れていたが、兄たちが探し回っているだろう。
「……オーリー……」
「また会えるかしら。私が普段話せるのって、身内ばかりなんだもの。弟がいるんだけど、あなたと違って可愛いげがなくて」
立ち上がると、寂しそうにオーリーが笑う。
「……はい。いつかまた、きっと」
《そうだね。その時は………》