君色を探して



・・・



「……ル、ニール!! 」


軽く頬を叩かれ、ニールは目を開けた。


「兄……上……? 」


頭も目も、まだ霞んでいる。


「どこか具合でも? 」


アルフレッドも心配そうだ。
ああ、そうか。
兄がいて、アルフレッドがいて――……。


(オーリー……? マロ? )


二人の姿はどこにもない。


「まったく……何度呼んでも起きないから、何事かと思ったぞ。こんな場で熟睡しすぎだ」


(……夢)



「申し訳ありません。失礼を……!! 」

「いや、長旅の後に無理をさせたのはこちらだ。少し休まれるといい」


情けない。
ただ、兄の後ろにくっついていただけなのに、このような場所で居眠りとは。


(それにしても……)


不思議な夢だ。
ほんのついさっき、マロを追いかけて部屋を出たと思ったのに。
今思えば、誰に気づかれもせず外に出るなど不可能だけれど。

つい、じっと見張り役を見れば、彼も心配そうにこちらを見ていた。
もちろん、しっかりと起きたままで。





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