君色を探して
(夢じゃない。だから、また逢えるよね?)
にわかには信じられない。
でも、どうか信じさせて。
《そう言ってるじゃない。まだ、もう少し先のことだけどね》
(ねえ、マロ。きみは……)
「生まれたら、是非お二人にも見て頂きたいですわ。ニール様、仲良くして下さいね」
慌てて意識を戻すと、エミリアに微笑まれて真っ赤になってしまう。
「……気が早いだろう」
「まあ、どちらにせよ、将来が楽しみだ」
(マロ? )
もう姿を現す気はないのだろうか。
そういえば、ロイはクルルとの国境付近の町にいるらしいから、彼も一緒にいるのだろうか。
だとするなら、先程見た彼は一体――。
「あの……マロを見かけませんでしたか? 」
応答がないので、アルフレッドに尋ねてみることにした。
「あのリスか。……突然いなくなったと聞いたが」
その表情を見るに、それはつまり――。
「……そうでしたか」
なら、話しかけてくれて、オーリーと引き合わせてくれたのは。
《ちょっとしたプレゼント。……お別れ、言えなかったからね》