君色を探して
・・・
「ニール。アルフレッドからだ」
不思議な時を過ごしたのが、やはり夢だったのではないかと不安になり始めたとある午後のこと。文を読んでいた兄が顔を上げ、言った。
「アルフレッド様から……」
この時期にわざわざ呼ばれた理由は、ひとつしか思い当たらない。
ドキドキしているのを知っていながら、彼はたっぷりの間を置いて、待ち望んだ言葉を口にする。
「オリヴィア王女。お前の言った通りだったな」
ニヤニヤしながらからかわれたが、恥ずかしさよりも喜びの方が大きい。
『大好きなひとに会いに……』
(オーリー。きみにまた、そう言ってもらえるようになるね)
――二人が再び出逢うまで、あともう少し。
【Neil and Ollie・終】