君色を探して


そして暖かい。
なんて心地よい空間なのだろう。

木漏れ日が、ほんのり肌に差して。
そんなことはないだろうに、慣れないからか何だかくすぐったく感じる。
見上げてみれば、ハナの青い瞳にはやや眩しかった。


『あなたもね』


声が聞こえ、ぎょっとして振り返る。
失礼なくらいまじまじと見つめていたのに、相手は嫌がるどころか、優しい微笑を返してきた。


『あんた……』


綺麗だと言ってくれた、彼女こそ美しかった。

さらりとなびく黒髪。
褐色の肌。
ダークアイは、吸い込まれそうなほどキラキラしている。

――クルルの。

出てきそうになった言葉を、ハナはどうにか飲み下した。


『……こんなところで、何やってんのさ』


代わりに発したのは、あまりにおかしな言い草だったが。


『あなたこそ。……でも、もしかしたら一緒かもね。私たち』


彼女は笑うことなく、そんなことを言った。



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