君色を探して
Reggy
Reggy
妹が笑っている。
つい最近まで、彼女の顔を思い出すことすら難しかったのに。
けれどもこうして見れば、彼女で間違いないと確信するのだ。
――ジェイダ。
あの時の、小さな妹が笑っている。
白のドレスを纏って、ちょっと不格好なヴェールを乗せて。
眩しくて目を瞑る。
幸せなはずなのに少し――いや、わりと滲みて目の奥が痛む。
きっと、何もかもが白いからだ。
綺麗な純潔の色だけれども、それ故自分には眩しすぎるだけ。
けして、ヴェールに何故か添えられた、あの赤い花のせいなどではない。
忘れようにも忘れられない。
そう思っていたのに、年月を経ると忘れたくないことばかり霞んでいく。
あの時ジェイダは、くるくるのショートヘアだったな。
いや、もう少し長かったか。
肩に付くくらいの髪だった?
両親はどうだっただろう。
随分大きく穏やかな存在だったが、考えてみれば今の自分ともそう変わらない年齢。
本当はまだまだ若者だったはず。
(……思い出せない)
彼らのことも、あの小さな家のことも。
あの時のレジーには十分な広さで、何もかも揃っていた。
脳裏にありありと浮かぶのは、いつだってそれをなくした日のことだ。