君色を探して


『情報元を明かすと面倒だから、言わないけど。確かに会えることになってるんだ』


――僕のお姫様に。



・・・


その、現れた彼のお姫様は。


「ジェイダ様っ!? 」


(いやいやいや……男の前で下着同然で走り回るとか。ないでしょう、まったく)


呆れ果てたくなるのを抑え、ジンは仕方なく元々彼女が着ていた薄手の服を頭から被せてやる。


(まあ…気持ちは分からないでもないかしら)


明らかにアルバート――ロイが下手なのだ。
これまでのように、城の女や諸公のお嬢様方の相手ならば、それでよかったのかもしれないが。
部屋から走り去ったのは、本当に普通の女の子。
どうやら、かなりカチンときたらしい。


「ふふ。目論見が外れましたね、ロイ様」

< 9 / 146 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop