君色を探して
『情報元を明かすと面倒だから、言わないけど。確かに会えることになってるんだ』
――僕のお姫様に。
・・・
その、現れた彼のお姫様は。
「ジェイダ様っ!? 」
(いやいやいや……男の前で下着同然で走り回るとか。ないでしょう、まったく)
呆れ果てたくなるのを抑え、ジンは仕方なく元々彼女が着ていた薄手の服を頭から被せてやる。
(まあ…気持ちは分からないでもないかしら)
明らかにアルバート――ロイが下手なのだ。
これまでのように、城の女や諸公のお嬢様方の相手ならば、それでよかったのかもしれないが。
部屋から走り去ったのは、本当に普通の女の子。
どうやら、かなりカチンときたらしい。
「ふふ。目論見が外れましたね、ロイ様」