コンプレックスから始まる恋
家族
それから戸崎さんの家で映画を見た。
有名アニメーション映画で、何度か見たことはあったけれど
好きな人と見るとまた違って見えて新鮮だった。
「茜、夕飯どうする?」
あ…
「あの…親にいらないって言ってしまったので一緒に食べたいです!」
「そうか、じゃあ帰りながらどこか寄っていくか?」
はいっと笑顔で答えた。
ふふふん、戸崎さんと仲直りできてよかった。
――――――
――――
――
「戸崎さん、また奢ってもらっちゃって申し訳ないです。」
「俺が好きでしているんだから謝るな?ありがとうの方がうれしい。」
あ...
「戸崎さんありがとうございます。おいしかったです。」
とびっきりの笑顔で言ってみると、
戸崎さんが顔を覆って立ち止まった。
あれ?どうしたのかな?
ー想像以上にやばいなそれ。
そう聞こえたのは聞こえないふりをした。