FUZZY
「……、俺と付き合ってくれませんか?」
「っ」
「曖昧な関係から始まった俺たちだけど、俺にとっては奇跡みたいな出会いで、もうね、ずっと好き。大好きすぎてどうしようって感じ!」
「好きって言い過ぎだよ」
「だってほんとに好きなんだもん」
「うん、私も。…好きだよ、碧生くんのこと。だから、こんなアラサー女でよかったら……お付き合いさせて下さい」
碧生くんが言うように私たちの関係はとても曖昧だった。いつ離れてもおかしくない、いつ壊れてもおかしくない、そんな関係。
でも、碧生くんの一途な気持ちと、それに動かされた私の気持ちが合わさった時、やっと曖昧から解放されるんだ。
「付き合うに決まってるでしょ、理乃さん!」
「えっ、ちょ、押し倒すのは——…」
……っ、今じゃなくない?!?
正式にお付き合いをすることになった私と碧生くんはこのあと、めちゃくちゃのどろどろに蕩けた。