FUZZY










「おー、理乃。お前、二次会来るのかー?」


式が終わり、参加メンバーで二次会に行こうと弘実筆頭に声が上がっている。

が、私はこの後、碧生くんと会う約束をしているので当然のことながら不参加。


「ごめん、欠席で」

「予定あんの?」

「あー、うん。ちょっとね」

「そっか。気ぃつけて帰れよ」

「ありがと」


弘実は私の頭に手を置いた。撫でるわけでもなく、ただぽんって置くみたいな。相変わらず大きな手だ。安心するし、あったかい。

そんな弘実、最近、後輩の本城さんに告白されたらしい。やはり本城さんは弘実に好意があると思ってたんだよね。私の予想は当たってた。

まだオッケーはしていないらしく、何回かご飯に行ったり、遊びに行ってから返事をするんだって。相手のことを知ってからじゃないと付き合えないって。本城さんもそれに対しては大賛成みたいで。二人がくっつく未来が見えてきそうだ。その時は祝福したい。




「瀬河理乃さん、ですよね?」

「……はい。えっと、」

「あ、いきなり声かけてごめんなさい。新郎の友達です。瀧沢って言います」

「……瀧沢さん。どうも」


新郎側の友達が私になんの用?と、一瞬、不思議に思ったが、それがナンパだということはすぐに分かった。だって後ろで男性が二人ほどこちらを見てニヤニヤしてるし。わかりやすい。


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