FUZZY




行こっか、と手を繋ぐ。

繋いだ手は碧生くんのロングコートのポケットにスッと入れられて、その中はとても暖かった。あ、カイロ入ってる。準備万端だね。


「そのドレスさ、かわいいんだけどちょっとやらしいよね」

「えー、そうかな?気に入ってるんだけど」

「特に、こことか、」


そう言って胸元の生地を指で引っ掛けて覗こうとする。わんこ、盛ってるのかしら。でも、そうだなぁ。今日はなんだか私も盛りたい気分かもしれない。












「っ、ちょっと、休憩しな、い、」


乱雑に脱ぎ捨てられた幸せを吸収しているドレスと下着。

ギシギシ、とベッドが軋む音。

そのたびに揺れる胸、腰、心。


「休憩したい?」

「んっ、だって、もうずっと、」

「喋れるんだから、まだ大丈夫でしょ」

「いや、ちょっ、ああっ、んっっ」


容赦なく突かれて、だらしなく溢れる声が塞がれる。何度も角度を変えて、離さないよって言われているようだ。


< 128 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop