FUZZY






それから、くたくたになるまで抱きつぶされて時間がわからないくらいに愛された。

腕枕をされながら髪を撫でられる。


「早く一人前の男になって理乃さんを幸せにしたいよ。まだまだこどもすぎてご両親にも挨拶に行けないし」

「もうそんなこと考えてるの?」

「〝もう〟じゃないもん。遅いぐらい。俺ね、ずっと先の将来のことまで考えてる。なんなら老後のことまで」

「それは早すぎ。まだおばあちゃんはやだ」

「ふふ。でもね、それぐらい理乃さんとずっと一緒にいたいってことなんだよ」



はっきり言ってここまで考えているとは思ってなかった。だってさ、まだ若いし私みたいなアラサーなんかよりも若くてかわいい子はこの世に五万といるわけで。それに碧生くんのルックスなら周りが黙ってない。

それなのにわざわざ年上の女を選ぶって、ほんとどうかしてるよ。自分で言って虚しくなるけどさ。それでも、〝愛される幸せ〟をこの子はくれる。確かな愛をくれるの。

碧生くんの愛し方に〝曖昧〟は一切ない。

この甘くて、とろっとした愛にどっぷり浸かった私は世界一幸せ者だ。










「…え、またするの?しないよね、さすがに」


にやっと口角を上げた碧生くんは布団の中に潜り込み、ちゅっちゅっと肌に吸い付いていく。

そして、思い知らされるんだ。




「俺の体力なめないでくれる?」

「(若いっておそろしい)」



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