FUZZY





その完璧な容姿に、仕事までできちゃうのだから女性社員はほっとかない。まあ、この人、彼女にぞっこん中だから誰も相手にされてないんだけどね。


「先輩の彼女さんってたしか年下ですよね」

「うん、そう。大学生」


ってことは、碧生くんと同じか。

ん?でも先輩ってそこそこ年齢上じゃなかったっけ?30とかで、それにしては若々しいよね〜ってお局が言ってた気がする。

え、大学生とどこで出会ったの?合コンとか参加しないタイプだしナンパも絶対するよりされる側だし…。

き、気になる!!


「…つ、つかぬことをお聞きしますが、どういった流れでお二人は出会われたのでしょうか」


こんなの聞く立場じゃないのはわかってるけど気になるもんは気になる。

そんな私の質問に一瞬考えるそぶりを見せた先輩は「ま、瀬河だしいっか」と謎の納得をして空いている隣の席に座った。


「元々は俺のセフレだったんだよ、今の彼女」

「セ?!セフッ、セフレ?!?」

「瀬河、声が大きい。休憩中だよ」

「いや、だって!先輩にセフレとか意外すぎますって…!ヤることヤってたんですね?!」

「はは、いい歳して何やってんだよって思ったけどね。一回エッチして、そこから連絡取らなくなったんだけど彼女の方からまた連絡くれてさ。で、正式に付き合って今に至る、といった感じかな」

「なるほど…」


先輩の場合は彼女さんから連絡くれたんだ。私と碧生くんの場合は…どうなんだろう。私からするべきなのかな。それともあっちから来るのを待つ?

……いや、そうじゃなくて。私は碧生くんとの関係を終わらせようとしてるのであって決して待つ待たれるの関係じゃないの。まぁ、連絡が来ない時点でもう終わってるか。


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