FUZZY
ちらり、先輩の隣を見ると目をぱちりとさせて微笑む女の子が小さく会釈しながら「こんにちは、仲崎です」と、挨拶をしてくれた。
それに続いて「彼女の透子ちゃんだよ」と先輩がドヤ顔で紹介してくる。その顔ちょっとムカつくけど透子ちゃんがかわいいから許そう。
それにしても美人すぎて眩しいや。透き通るような肌にそれぞれ整いすぎたパーツたちが乗っている。
「後輩の瀬河です。先輩からは透子さんのお話聞いてます」
「え、言ったっけ」
「言ってたじゃないですか。にやにやしながら〝とこちゃんって呼ぶと喜ぶんだ〜〟とか」
「それをわざわざ彼女の前で言うとか馬鹿なの?こんな後輩に育てた覚えないよ」
「一眞くん!そんな言い方よくないよ。ちゃんと謝りなさい」
「あのね、透子ちゃん。これは、」
「言い訳とかいらないからね?」
透子ちゃん、立派だ。年下なのにしっかりしている。これは先輩、尻に敷かれるぞ〜!ちょっと想像できしまって頬が緩む。
先輩から「よくない言い方して悪かった」と納得のいかない顔で言われたので透子ちゃんに告げ口をしたら「一眞くん?もうクレープあげないよ?」と可愛らしい突き放し方をしていたので心が和んだ。
「あ、イケメンコンテストが始まる時間だ!」
「イケメンコンテスト?」
「はい。この大学内での真のイケメンを決めるコンテストらしいです。私も初めて見るんですけど、多分一位はこの人だろう!って言われている人がいて——…」
そう言ってイケメンコンテストと書かれているパンフレットの見開きページを見せてくれた。
「……え、」