FUZZY





どれどれ〜?と侑芽も覗き込んできた。


「あれ、この子って」

「…うん」

「長谷田大学だったの?めちゃくちゃ賢いじゃん。ていうか贔屓されすぎてうける。こんなの一位確定じゃん」

「…はは。だね」


パンフレットにはイケメンコンテストに参加する男の子たちが順番に載ってるんだけど、みんな片面だけなのに対し、見開きにババンッと特集を組まれている男の子がひとり。


私のよく知っている男の子、碧生くんだ。


まさか長谷田大学に通ってるとは…。

賢いうえにかっこかわいいってどうなってんのさ!教えてくれなかったよ、あのわんこ!いや、教えてとも言ってないけどさ。


「透子ちゃん、そろそろ行こ。そのパンフレットいらないでしょ?瀬河にあげて」

「え、うん!あ、学祭楽しんでくださいね。じゃあ失礼します」


先輩、透子ちゃんとふたりきりになりたかっただけだよね。あと、あれでしょ。イケメンコンテストとか何?滅びろ、とか思ってるでしょ。透子ちゃんも興味持ってたし。意外とわかりやすい人だ。



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