こい に つかれる
「髪も染めたいなあ」
「俺もー」
「したいこといっぱいでたのしいね」
「うん、果無のピアス開けるのめちゃくちゃ楽しみ」
「季和がするの、っ?」
「任せろ、プロだぜ」
抱き締めて、キスをして。間で言葉交わして、また繰り返すの。何度もそうなのに、今夜はすこしだけ苦しくて。
彼の一昨日染めたばかりの黒い髪に触れた。
「黒髪の季和、結構すきだけど」
「黒髪とか逆に落ち着かない」
「次何色かな」
「原点回帰、ブリーチ」
「結局それなの」
はやくはやくと催促されておとなしく首に腕を回す。抱き上げたかと思うとベッドに雑に転がされるから、何だか苦笑した。
雑。今日の変化なんて微塵も感じないほど普通すぎて、本当に私がバカらしく思えてしまうの、これも意図的なんでしょ。
しょうがないから首元を飾っていたリボンを外して、ベッドの下に投げる。怠そうに上がってきた季和はすこし眉を下げて。
「それは俺がしたかった」
とか可愛子ぶるから無視をした。
「ああ、季和制服すきだよね」
「人を変態みたいに言うな」
「でもすきでしょ?」
だって季和の家にくるときはいつも私は制服を着ていたから。
「堪んない」
平常心、乱れてる。