竜王様のプレゼント
「美味かった」
「ありがとうございます」
お茶の最後の一口を飲み終えたら、おやつタイムは終了。竜王様が席を立ち、執務机に戻ったらお片付けするんだけど、今日はソファーに座ったまま、動こうとはしません。
「? お仕事に戻らないんですか?」
「ああ。ところで、今日は〝ホワイトデー〟だな」
唐突ですね! ていうか、竜王様、覚えていたんですか。
バレンタインデー。確かにあの日竜王様は『ホワイトデーを楽しみにしておけ』とは言ったけど。……そもそもなんで竜王様が『本命』だの『ホワイトデー』だのを知っていたのかも謎のままだけど、まあそれはおいといて。別にいつも通りだったから、すっかり忘れてるものだと思っていました。
「そうですね。すっかり忘れてましたけど」
「余はちゃんと覚えていたぞ」
「そうなんですね」
ということは、竜王様も何かくれるのかしら?
みんなのようなプチギフトかな〜と思っていたら。
「持ってこい」
「はい」
マゼンタは竜王様の指示で何かを取りに、一旦部屋を出て行きました。そっか、マゼンタはこのために残っていたんですね。いつもならおやつの準備ができたら下がっていくのに、今日はなんで残ってるのかなぁって思ってたんです。
すぐにマゼンタは、大きな箱を抱えて戻ってきました。
え? やけにでかいんですけど?
この大きさ、プチプレゼントじゃなくない? 竜王様、一体何をくれるというの?
箱の大きさに戦く私をおいて、マゼンタが手早く箱を開けていきました。そして中から出てきたのは。
「ドレス!?」
「ああ。ライラのために作らせた」
「まさかのオートクチュール!」
シックな濃いグレーのカラードレスは、プリンセスラインだけど甘さを感じさせません。ボリュームたっぷりのスカートは、グリッターの効果でシルバーに輝いて見えました。薄いグレーのレースで花が散りばめられています。すごい……手が込んでる。
甘くないけど、すごく素敵! お洒落にあまり興味のない私だけど、これは強制的にときめかされる美しさです。
「着てみるといい。手伝ってやれ」
「はい」
ドレスの見事さに見惚れていたら、マゼンタに隣室に連れて行かれ、お着替えさせられてしまいました。
「ありがとうございます」
お茶の最後の一口を飲み終えたら、おやつタイムは終了。竜王様が席を立ち、執務机に戻ったらお片付けするんだけど、今日はソファーに座ったまま、動こうとはしません。
「? お仕事に戻らないんですか?」
「ああ。ところで、今日は〝ホワイトデー〟だな」
唐突ですね! ていうか、竜王様、覚えていたんですか。
バレンタインデー。確かにあの日竜王様は『ホワイトデーを楽しみにしておけ』とは言ったけど。……そもそもなんで竜王様が『本命』だの『ホワイトデー』だのを知っていたのかも謎のままだけど、まあそれはおいといて。別にいつも通りだったから、すっかり忘れてるものだと思っていました。
「そうですね。すっかり忘れてましたけど」
「余はちゃんと覚えていたぞ」
「そうなんですね」
ということは、竜王様も何かくれるのかしら?
みんなのようなプチギフトかな〜と思っていたら。
「持ってこい」
「はい」
マゼンタは竜王様の指示で何かを取りに、一旦部屋を出て行きました。そっか、マゼンタはこのために残っていたんですね。いつもならおやつの準備ができたら下がっていくのに、今日はなんで残ってるのかなぁって思ってたんです。
すぐにマゼンタは、大きな箱を抱えて戻ってきました。
え? やけにでかいんですけど?
この大きさ、プチプレゼントじゃなくない? 竜王様、一体何をくれるというの?
箱の大きさに戦く私をおいて、マゼンタが手早く箱を開けていきました。そして中から出てきたのは。
「ドレス!?」
「ああ。ライラのために作らせた」
「まさかのオートクチュール!」
シックな濃いグレーのカラードレスは、プリンセスラインだけど甘さを感じさせません。ボリュームたっぷりのスカートは、グリッターの効果でシルバーに輝いて見えました。薄いグレーのレースで花が散りばめられています。すごい……手が込んでる。
甘くないけど、すごく素敵! お洒落にあまり興味のない私だけど、これは強制的にときめかされる美しさです。
「着てみるといい。手伝ってやれ」
「はい」
ドレスの見事さに見惚れていたら、マゼンタに隣室に連れて行かれ、お着替えさせられてしまいました。