怪盗 シーフ
ツンツン。
誰かが玲をつついた。まわりを見回す。冬夜と目が合った。
「玲ちゃん、ちょっといい?」
「高野君何?」
話している先生にばれないように小声で返した。
「月祭りって何なの?」
「高野君は、知らないんだっけ。えっとね、文化祭かな?だけどクラスごとに劇をやって一番を決めるの。一番のクラスには、賞状とトロフィーが貰えて副賞に図書券が貰えるんだ。」
「へぇー。すごいな。」
「それと、男女一名ずつ最優秀演技賞って言うのが貰えてね。たしか、指輪が送られるの。」
「指輪?」
「そう指輪。なんかね、指輪を貰った人は、好きな人と両思いになれるんだって。」