My dear prince~初恋の幼馴染or憧れのアイドル~


席を代わった理由を聞かれると、紫音はニコッと優しい笑顔を渚に向けた。


「渚ちゃんがそう思うなら、それでいいんじゃないかな?」


「そんなの答えになってないですよ~?
じゃあ涼と隣に座るのが嫌だった?」


「もしかしたらそうかもね?」


紫音は何も答えてくれないので、意地になる渚。



「えーっ!!じゃあなんですか~?
私が蚊が寄ってくると、面白いと思ったんですか?」


的はずれな事を言う渚の頭に手を乗せた紫音は、グシャグシャッと頭を撫でた。


「この可愛い奴が、助けてほしいって思ってたからだろ?
大丈夫だったのか?その手……」


渚は舞につねられて、赤いアザができている手を見た後、一気に恋に落ちてしまう。


紫音は気付いてくれたんだ……?


キュンキュンするーーーっ!!


好きになっても無駄なんて知ってるのに……。


きっと役得だよね?


ヒロインになれるように頑張ったから、神様からのご褒美だよ。


きっと………。


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