My dear prince~初恋の幼馴染or憧れのアイドル~
捕まった3ヶ所で警察官と話している様子だったが、渚からはよく見えない。


「涼は捕まってないよね……?」


祈るような気持ちで、警察官と少年が話している所へ、順番に近付いてみる。


すると、涼と警察官が話していた。


渚は何の策も考えずに、体が先に動いてしまい、警察官に尋ねる。


「あの……すいません。この人、何か悪いことをしたんでしょうか?」


渚に気付いた涼が、何事も無かったように言ってきた。


「渚、こんな所で何をしてんだよ?」


「何をしてる?じゃないよっっ!!!!!
心配するじゃんっ!!!!!!」


悲鳴にも近い声で怒鳴った渚なんて、涼も見たことがない。


圧倒された涼は呟く様に言った。


「俺……別に何も悪いことしてないし……」


「悪いか悪くないかは、俺達が決めるから、とりあえず署で取り調べを行う。ほらっ!!パトカーに乗ってっ!!」


警察官に乱暴に手を引かれた涼は、パトカーに連れていかれてしまう。


「涼が逮捕なんてやだよ……涼……やだ……」


渚はその場で泣き崩れてしまった。


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