My dear prince~初恋の幼馴染or憧れのアイドル~
キョトンとしてしまった紫音は、渚の言いたいことを理解すると、頭を撫でてクスクスと笑う。


「渚は学生でお小遣いでやりくりしてたから、ずっと半分ずつだったんだよね?」


「はい……だから……私もお金を……」


「そうじゃないよ?渚ともっと仲良くなるには、半分ずつにした方がいいのかな?って思ったんだけど、ダメかな?」


紫音は涼と同じことをする事で、距離感を詰められるのでは?と考えたのである。

すると渚は首をブンブンと横に振って言った。


「全然ダメなんかじゃないですよぉ」


ニヤニヤが止まらない渚は、天にも昇りそうな勢い。


もっと仲良くなりたいだって~。


私だってもっともっと仲良くなりたいよ~


そんな渚の肩をポンと叩いた紫音が言った。


「次は何が食べたい?これから撮影もあるし、体力を残しておかなきゃダメだから、俺が買ってくるよ?」


紫音はこれからの撮影に備えて、渚を休ませてあげようと思ったのだが、そんな気遣いも今の渚には関係なかった。


「私も一緒に行きますっ!!」


渚は嬉しそうに、紫音の後を追って歩き始めた。


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