My dear prince~初恋の幼馴染or憧れのアイドル~
そんな様子を見ていて面白くない涼は、ふてくされたように、二人を眺めていた。


「チェッ……」


渚が紫音のファンなのは知ってるけど、そんなにデレデレしなくてもいいじゃん……


何が紫音様だよっ……


もしかして、恋人役で映画に出て、そのまま付き合っちゃうなんて事もあるのか……?


これまでに味わったことがないような
、強烈な嫉妬心が芽生えていた涼は、慌てて二人の方に向かっていく。


「早くしないとバスに乗り遅れるんだろ?早く行くぞっ」


二人を引き裂くように、涼は渚の手を強引に引っ張って、バス停に向かった。


「せっかく紫音様が手を握ってくれたのにーーーっ!!
握手会だと3秒握手するのに1000円のCDを買わなきゃいけないんだよっ!!涼のばかー」


女の子は意外と現実的なもの。

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