My dear prince~初恋の幼馴染or憧れのアイドル~
舞が涼の肩口を両手で掴んで、まるで恋人のように、一喜一憂している様子を渚は見てしまった。
「涼くんっ!!頑張って~。私、あの猫のぬいぐるみが欲しいの~っ!!」
「次は取れると思うよ?見てて?」
パンッ
猫のぬいぐるみに当たって大きく揺れたが、落ちなかった。
「あーっ!!惜しいっ!!当たってるのに~。もう次は取れそうだよね?」
「うん。次こそ取れると思うよ?舞の為に落ちて欲しいな~」
渚はそんなやり取りを見ていると、いつも涼の隣にいた自分を重ねて見てしまう。
涼があんなに楽しそうにしてる……
涼って舞さんと、仲良いんだね……
恋人みたいに見えるもん……
本当なら今日も私が舞さんみたいに、涼の隣であんな風に笑ってたんだろうな……
紫音に浮かれていた渚だったが、涼を見るとやっぱり嫉妬してしまう。
どこか複雑な気分だった。