My dear prince~初恋の幼馴染or憧れのアイドル~
もうすぐ棚から落ちそうな猫のぬいぐるみに向けて、銃を向ける涼。


「次こそは取れるから……」


「涼って上手いよね~。
頑張って~」


そんな二人を見て、思わず渚も言った。


「涼っ!!しっかり狙いを定めて打つんだよ~」


パンッ


ガサッ


猫のぬいぐるみが、棚から落ちると、大喜びする涼と舞。


「やったーっ!!はい。どうぞ」


「ありがとうっ!!涼からもらったぬいぐるみ、大事にするからね?」


涼が舞に猫のぬいぐるみを渡すと、自分の事のように、渚も拍手して喜んでいた。


「涼すごーいっ!!」


渚が涼に近寄ろうとすると、その前をさえぎるように、紫音が歩いていく。


そして紫音が涼に近付いて、何かヒソヒソと小さな声で話すと、涼がチラッと渚を見た。


「舞ちゃん……行こ……」


「え……うん……」


冷たく言い放った涼は、舞と一緒に人波の中へ消えていった。



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