My dear prince~初恋の幼馴染or憧れのアイドル~
幼馴染みで物心がついた時から、約10年。

一緒にいたからこそ、表情や仕草で何を考えているか、手に取るようにわかる二人。


いつもなら、こうしてくれる。

渚ならこうするのだろう。

涼ならこうするのだろう。


そんなイメージがすれ違いを生み、二人の歯車は完全に狂い始めていた。


ぼんやりと悩んでいた涼の元へ、舞が駆け寄って来る。


「私達の撮影もあるんだよっ!!何をボーッとしてるのっ!!」


「えっ……あぁ……」


渚と同じように、涼も心ここにあらず。


そんな涼に、舞がガツンと言った。


「あくまで演技なんだから、クヨクヨしてるんじゃないのっ!!
男なら、しっかり渚ちゃんに、好きだって伝えればいいじゃんっ!!」


こうして舞に連れられて、涼は現場へと戻って行った。




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