それでも、恋
痺れを切らして、夜空から視線を地上に戻してみる。一条くんの綺麗な顔を見つめた。
「で、けっきょく何がいいたいの」
公園の濃紺によく似合う、品の良い美少年。彼のほうも星から顔と意識を戻して、こちらを射抜くようにまっすぐ見つめて。
「好きです、付き合ってください」
いきなり、ストレートを豪速球で投げてきた。さすがに理解が追いつかなくて、口をぱくぱくと開け閉めしてしまう。
一条くんのほうは、相変わらず落ちついていて、さっきの星を語るときよりもテンションが低く見える。いや、それもどうなの。
「ま、まって、受け止めきれてない」
「えー、俺、振られた?」
「ちが、う、けど!まってよ、ちょっと」
わたしが慌てて否定すると、彼は、にやりと意地悪く笑った。
「ねえ、付き合ってくれるのくれないの」
「いや、だから、」
「はやくしてよ、俺は宇田さんに無理させたくないんだから」
そーれーはー!あなたが永遠に星の話してたからでしょうが!