若女将の見初められ婚
*◇*◇*
久しぶりにゆっくりと過ごす夜がきた。しの君とビールで乾杯する。
心地よい疲れの中で飲むビールは最高だ!
「よう頑張ったな」
温かい大きな手で頭を撫でてくれる。
「何も言わず、私の好きなようにさせてくれてありがとう」
端で見ていたら、口出ししたいことも多々あったと思う。それでも黙ってサポートに徹してくれたことがありがたい。
「いや、口を挟むようなこと何もなかったで。いいイベントやった。売上もすごくよかったしな。若女将様様や」
おどけるように言って、しの君は笑った。
「これからもやりたいことは、どんどんやっていけばいい。俺が志乃を支えていく。俺は志乃がそばにおってくれたら、それだけでいい」
そっと抱き寄せられる。
私も大きな背中に手を回して抱き締め返した。安心する温もり。
「一つしてほしい仕事があるけどな」
イベントが終わってすぐやのに、もう次の仕事?!
私は体を離して聞いた。
「新しい仕事?私にできること?」
「志乃にしかできひんことや」
なに?思いつかへんけど。
しの君は私をもう一度抱き締め、耳元で囁いた。
「志乃によく似たかわいい女の子が欲しい」
一瞬で顔が真っ赤になる。
しの君は笑いながら、ゆっくり私をソファに押し倒した。