若女将の見初められ婚
怒る嫁さん
*◇*◇*
「ただいま」
疲れた声で声をかける。
ん?部屋が暗いな。志乃もう寝た?
リビングに入ると、間接照明が一つだけ灯っていた。時間を確認すると11時過ぎ。
いつもはまだ起きている時間だが、今日はもう寝たらしい。和室の襖がぴったりと閉まっていた。
キッチンには優しい匂いが残っていて、ご飯を用意してくれていたことがわかる。
悪いことしたな。
ガックリと項垂れる。
五日ぶりに帰ってきて、志乃に会うのを楽しみにしていたのに。