若女将の見初められ婚

*◇*◇*


休み明けの今日、外の石畳を掃きながら、前日を振り返る。

昨日のお休みは結局、しの君の良いようにされて終わってしまった。

どうしてそんなことになってしまったんだろう…


昨日の朝起きたら、しの君はちゃんと帰っていた。当たり前だけど。

離して敷いたはずの布団は勝手に隙間を詰められていて、こっちの気も知らずにのん気に寝ているしの君を見てムッとする。

今日は『怒ってます』という体でいくぞ。初めての喧嘩になるかもしれないけど負けるもんか!

ヨシッと気合いを入れて起きようとしたら、突然、しの君の布団へと引きずり込まれた。

あまりの早業に抵抗もできず、挙げ句の果てには、そのまま昼まで出ることができなかった。

いちおう「ダメ」とか「イヤ」とかは言ってみたけど…

言えば言うほど、しの君が喜んでるような気がしたのは気のせい?

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