LOVEPAIN⑥


「私、パニック障害なんだって」



私の事をナツキは本当に心配してくれているから、

ちゃんと病名を伝えておかないと




『そう』



「うん」



ナツキは、パニック障害がどんな病気なのかを知っているからか、

頷いたその声が少し深刻そう




「けど、私の場合は、症状としては、
軽いみたいだから。

だから、大丈夫…」



本当に大丈夫なのかは、
不安なのだけど



治らず、今より酷くなるんじゃないかと、

口に出してからそんな不安が出て来る




『広子、お前には俺が居るから』



「うん」




誰かに頼りたい私は、

ナツキのその言葉が本当に嬉しいのだけど



完全には、満たされない




その言葉を言って貰いたい人が、
私は他に居るからか


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