LOVEPAIN⑥
「けど、もしもこの先。
鈴木広子が成瀬さんを完全に吹っ切って。
ナツキさんが離れて行って一人になった時。
その時、俺に対して同じように思えるか?」
もしも、成瀬を完全に吹っ切って
なんなら、AVの仕事も辞めて、
成瀬とは一切関わりもなくなり
ナツキも、私から離れて行って
私は、一人
そんな時に、
涼雅だけしか私の側に居なかったら
寂しくて、涼雅を男性として必要としてしまうかもしれない
好きだと恋愛感情を抱くかどうかはべつにして、
恋愛対象としては見れてしまうかもしれない
私は心の底でそんな事を思いながら、
涼雅を側に置いておきたいのかもしれない
キープ、なのかな
「もし、そうなったら。
俺も男だから、鈴木広子に手ぇ出すけど。
誰に遠慮する事もないし。
ただ、ついでだから言うと。
俺、鈴木広子には本気で惚れないと思う。
あ、べつに、AV女優だからとかじゃなくて」
「あ、うん」