LOVEPAIN⑥


「だから、いくら俺が鈴木広子に何もしないとしても、
やっぱ俺は男だから。

ナツキさんからしたら、
俺って嫌な存在なんだと思うし。
そう考えたら、
やっぱ、帰って来にくくなった。

俺、けっこうナツキさん好きだし」




あの誕生日の夜


涼雅とナツキは、
けっこう仲良くしていたもんなぁ



二人はそれっきり、
会ってはいないけど




「けど、だからって、
なんで俺がナツキさんにそこ迄気を遣わないと、とも思う辺りで、

たまーに、鈴木広子が居る時にも帰って来てんだけどな」


アハハ、と最後は涼雅らしく、

明るく話を締め括っていた




「私、この部屋に一人で居るより、

涼雅が居てくれる方が楽しいから」



今の私には、
それしか言えないけど



涼雅のそのナツキに対する気持ちを聞いて、

もっと帰って来いとも言えなくて



そして、そう言ってしまう事は、

ナツキに対してまた罪悪感も感じてしまうから

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