LOVEPAIN⑥
「どっちにしろ、
しばらく、俺、練習とかで忙しくなっから」
「あ、そうなんだ?
練習であんまり帰って来ないんだ」
バンドの練習の事だろう
「来月、俺らのバンド、ソロでライブすんだよ。
今迄は、対バンで他のバンドと一緒にライブハウス出てたけど」
「そうなんだ」
涼雅は、音楽や自分達のバンドの話になると、
本当に嬉しそう
涼雅の本当の恋人は、
音楽なのだと思う
「だから、頑張んないと。
そのライブで、新曲下ろそうと思ってて。
まだ、曲書けてもないけど」
やはり、涼雅は私をそのライブには誘わない
そうやって、バンドの話はしてくれるけど
もう、私の存在なんか忘れたように、
部屋のすみに置いていたギターケースを開いている
アコースティックギターの音色が、
部屋に響く