LOVEPAIN⑥


暫くすると、

人があまり歩いていない通りに来て、

立ち止まる




私は何処かで、
涼雅は自分と同じなのだと思っていた


同じ、レベルの人間なのだと




涼雅がバンドをしている事は前から知ってはいたけど、

普段はただのフリーターで



その、音楽の才能だって、

私は分からないなりに、
凄いものだと知っていたけど




涼雅は、本当に私とは違う



前から、夢を持って好きな音楽をしている涼雅は、

何の夢もない私とは違うから羨ましいとは思っていたけど



でも、なんだろう……




今、感じているのは、

今迄の羨望のような気持ちだけじゃなくて、

嫉妬や劣等感かもしれない



身近な涼雅が、

私よりも高い場所に居る事に




嫉妬だけじゃなく、
寂しさもある



涼雅が、遠い人間に感じて


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